施設紹介
内科・外科の外来診察、腹部・胸部のエコー検査などの簡単な検査は、この部屋で行います。
眼科の外来診察はこの部屋で行います。眼エコー検査・光干渉断層計(OCT)検査などの全身麻酔を伴わない特殊眼科検査も行います。
ワンちゃんとネコちゃんが同じスペースにいるのを避けて、ストレスを軽減するために利用します。
白内障手術・緑内障手術などの眼内手術から角膜潰瘍などの眼表面手術まで、ほとんどの眼科手術は手術用顕微鏡の設置された眼科手術室内で行われます。
眼科以外の手術(避妊・去勢手術など)は、こちらの手術室で行います。眼科手術室と同様に、人工呼吸器と血圧、心拍数、呼吸回数、麻酔濃度、血中酸素飽和度などをモニタリングする装置を備えた全身吸入麻酔装置が設置されており、安全な麻酔管理が行えるようになっています。
小型犬から大型犬まで収容できる入院室を用意しています。ICU(集中治療ユニット;東京メニックス製MENIOS)を設置して呼吸管理や体温管理が容易にできるようにしています。
天井吊り下げ式のX線撮影装置を設置しています。フィルム現像は行わず、デジタル画像を撮影し、診察室のモニターでレントゲン画像の説明を行っています(コニカミノルタ製REGIUSΣ)。なお、レントゲン撮影室の壁と天井はX線の漏れを防ぐために鉛で防護されています。
設備紹介
眼科用の設備
前眼部(眼瞼、結膜、角膜、虹彩、水晶体など)を大きく拡大して観察し、その画像を記録するために使用します。また、透光体(角膜、水晶体、硝子体など)の断面を観察したり、倒像鏡レンズを用いて広範囲の眼底を観察することも可能です。スリットランプ(カールツァイス製SL130)には高性能なデジタルカメラが接続されており、撮影した画像はファイリングシステム(コーワVK3)に保存され、疾患の経過を比較するために利用します。
TOMEY製UD-8000を使用しています。周波数40MHzの接触式超音波プローブを用いて、角膜、虹彩、毛様体、強膜などの詳細な断層像を観察することができます。この装置は、スリットランプ検査や眼底検査では観察できない虹彩裏面や毛様体の微小な病変を検出するのに極めて有用です。また、周波数10MHzの接触式超音波プローブを使用して、眼球全体から眼球後方までの断層像を観察することが可能です。このプローブは、角膜の濁りや眼内出血によって眼内の観察が難しい症例で利用されるほか、視神経など眼球後方に存在する病変の検出にとても有用です。
この器械は、近赤外光を照射して得られたエコー情報から、角膜や虹彩、網膜などの断層像を表示します。麻酔をかける必要がなく、ワンちゃんやネコちゃんの目に触れることなく検査を行うことができます。ほとんど負担をかけることなく、光学顕微鏡に近い精度で網膜の断層像を得られる、非常に画期的な検査です。この検査は、眼底検査で判定が難しい網膜疾患の精密検査に利用されます。当院で使用しているのはOptovue iVue80で、日本国内で最初にOCTを導入し、15年以上の検査実績があります。
前眼部(眼瞼、結膜、角膜、虹彩、水晶体など)を拡大して観察するために使用します。また、透光体(角膜、水晶体、硝子体など)の断面を観察することも可能です。据え置き式と比較すると拡大率は低く、詳細な観察はできないものの、じっとできない動物に対してはハンドスリットランプの機動性が非常に役立ちます。
眼球の硬さを測定する器械です。眼圧が通常より高いか低いかを知るために使用します。緑内障では眼圧が高くなり、網膜剥離やぶどう膜炎では眼圧が低くなります。眼圧測定は、外来の際に必ず行われる重要な検査です。
この非球面レンズは、瞳孔を通して眼の奥にある眼底(網膜・脈絡膜)を観察する際に使用されます。レンズごとに焦点距離が異なり、そのため観察範囲や拡大率も変わります。観察目的に応じて使い分けることができます。また、隅角や毛様体の観察にも使用されることがあります。
水晶体乳化吸引装置や前部硝子体カッターを備えた白内障手術装置ですが、通常の白内障手術には使用しません。コンステレーションが手術中に作動しないような非常事態を想定したバックアップ機です。
当院では、白内障手術と硝子体手術にアルコン社製のコンステレーション® ビジョンシステムを使用しています。本機は、ヒト用の白内障・網膜硝子体手術装置として全世界で使用されており、最新の極小切開白内障手術にも対応可能です。また、硝子体手術にも対応しており、従来の手術装置よりもさらに進化した高性能で多機能な機械です。27Gシステム(直径0.4mmの穴から操作)による硝子体手術が可能です。
手術用顕微鏡システムとしてカールツァイス社製の「OPMI Lumera T(ルメラT)」を採用しています。細かい作業をアシストする手術用顕微鏡において最も重要なのは「よく見える」ことです。世界的に評価の高いこの顕微鏡を使用し、安全な手術を行っています。
この装置は、腕の血管(静脈)に造影剤を注入しながら、特殊なフィルターを通した光で眼底の写真を撮影するためのものです。一般的な眼底検査では検出できない血管の詳細な観察や、血管から血液や血漿が漏れ出していないかを調べる蛍光眼底検査に使用します。
網膜が正常に機能しているかどうかを調べるための検査装置です。網膜に光を感じた際に発生する電気信号を網膜電位図(ERG)として記録します。網膜には、明るいところで光を感じる細胞(錐体)と、暗いところで光を感じる細胞(桿体)が存在します。当院で使用している装置は、網膜全体、錐体、桿体それぞれのERGを測定することが可能です。
この装置は、眼科手術(特に腫瘍摘出)における止血装置として利用できますが、網膜剥離の予防や進行抑制のための経瞳孔レーザー網膜凝固術や、緑内障症例の眼圧降下(房水産生抑制)のための経強膜毛様体凝固術にも使用されています。
水晶体よりも後方(目の奥)にある網膜、脈絡膜、視神経などを観察し、写真に記録するための装置です。視覚障害の診断に利用されるほか、網膜組織や眼底の血管、視神経などを障害する内科疾患(高血圧症など)を見つける目的でも使用されています。もともとは35mmフィルムに記録するカメラでしたが、改造してCCDを取り付け、デジタル画像としてファイリングシステム(コーワVK3)に保存しています。
その他の設備
一般的な血液塗沫標本や細菌検査、寄生虫検査などに利用し、デジタル画像を記録することも可能な顕微鏡を備えています。
血液に含まれる水成分(血清・血漿)中の疾患に関連する酵素などの濃度を測定します。内臓にはさまざまな酵素が存在し、炎症などの異常により細胞から血中へ酵素が流れ出します。その血中の濃度を測定することで、病気の診断や治療効果の判定に利用します。また、全身麻酔や手術の前には、血球計算とともに必ず血液生化学検査を実施し、そのリスクの判定を行います。
血液中の細胞成分である赤血球、白血球、血小板の濃度を測定するとともに、貧血に関連するヘモグロビンの量やヘマトクリット値を測定します。各測定値はさまざまな疾患に関連して増減するため、病気の診断において必須の検査として血液検査に必ず利用されます。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)および下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)に使用します。前者では、口から内視鏡を挿入し、食道、胃、十二指腸を内側から観察します。後者では、肛門から内視鏡を挿入し、直腸、結腸、盲腸および回腸との境界部分までを観察します。消化管内部を詳細に観察して診断を行うだけでなく、鉗子口から様々な医療器具を挿入し、病変部の採取や切除などの処置や治療も行うことができます。特に、動物が誤食して胃内に停留した異物を摘出する際に非常に役立ちます。
組織内に含まれる水分に吸収され、その組織を瞬間的に蒸散(消滅)させることで、皮膚の切開や体表面のイボや腫瘍の除去に利用します。その効果は表面的であり、深部組織や周辺の正常な皮膚にはダメージを与えにくいのが特徴です。また、メスによる切除に比べてキズ跡が残りにくく、治りが早いという利点もあります。さらに、小さな血管や神経の断端をシールする効果があり、痛みや出血がほとんどない点も特徴です。
超音波を利用して血管などの組織を凝固・切開するために使用する手術装置です。血管が豊富な組織の剥離や切断を行う際に用いられ、出血のリスクを軽減し、安全に手術を遂行することが可能です。当院では避妊手術の際に生殖器を摘出する際に使用し、腹腔内で糸を使用しないことで、糸が原因となる炎症を防いでいます。
この機器は、安全に全身麻酔をかけ、麻酔状態を維持するために使用します。全身吸入麻酔装置には、吸入麻酔薬の気化器(写真下段)、酸素を供給する人工呼吸器(写真中段)、および血圧、心拍数、呼吸回数、麻酔濃度、血中酸素飽和度などをモニタリングする装置(Bio-Scope AM140; フクダエム・イー工業 写真上段)が備わっています。
心臓や腹部臓器(肝臓、胆嚢、脾臓、膵臓、胃、腸、腎臓、副腎、膀胱、生殖器など)の断層画像を観察することができます。主に心臓や腹部の病気の診断や治療経過の監視に利用されます。
この装置ではエチレンオキサイドガスを用いて、熱に弱い手術材料を滅菌することができます。「消毒」や「殺菌」よりも強力に微生物を死滅させる「滅菌」が可能となるため、より清潔で安全な手術や処置を行うことができます。
この装置は、一般的な金属製の手術器具(ハサミや鉗子など)を高温・高圧の蒸気で滅菌するためのものです。「消毒」や「殺菌」よりも強力に微生物を死滅させる「滅菌」が可能となるため、より清潔で安全な手術や処置を行うことができます。当院で使用している装置は、滅菌室内を真空吸引した後に高圧蒸気を送って滅菌できるため、器具の滅菌が不完全になることがありません。
動物の前肢や尾にカフを巻いて末梢動脈血圧を測定するための器械です。いずれもオシロメトリック方式の血圧測定装置であり、麻酔下でなく外来時に無麻酔で安全に血圧測定が可能です。収縮期血圧、拡張期血圧、および平均血圧が測定できます。