完全
予約制
電話番号
ナディア動物クリニック・動物眼科
ナディア動物クリニック・動物眼科

コラム

column
緑内障

ワンちゃんが緑内障かな?と思ったら、1日でも早く検査・治療を行いましょう

このコラムでは、ワンちゃんの緑内障について、特に知っておいていただきたい重要なポイントをわかりやすくご紹介します。緑内障のワンちゃんのご家族、あるいは緑内障を発症するかもしれないワンちゃんのご家族の皆さんには知っておいたほうが良いことばかりですので、是非ともご一読ください。

もっと詳しく知りたい方は、犬の緑内障ページでもご紹介しておりますので、ご覧ください。

犬の散歩

緑内障は失明につながる病気です

犬の緑内障は、眼圧(眼の内圧)が異常に高くなることで視神経に障害が起き、失明に至る可能性が非常に高い疾患です。進行が早いため、早期発見・早期治療がとても重要です。

原発性と続発性、2つのタイプがあります

緑内障には大きく分けて2つのタイプがあります。

  • 原発性緑内障:遺伝的な要因など、もともとの素因によって発症するタイプ。
  • 続発性緑内障:ぶどう膜炎や白内障、外傷など、他の眼病がきっかけで発症するタイプ。

どちらも早期対応が視力を守る鍵になります。

緑内障になりやすい犬種がいます

原発性緑内障は、以下の犬種で特に多くみられます。

  • 柴犬
  • アメリカン・コッカースパニエル
  • ビーグル
  • プードル

これらの犬種で、「眼をしょぼしょぼさせる」「眼がぱっちり開かない」「涙が多い」「白眼が赤い」といった症状が見られたら、まずは緑内障を疑って動物病院を受診しましょう。

さまざまな犬種

「結膜炎かも」と言われたら要注意

実は、緑内障を発症しているワンちゃんが病院にかかっても、「結膜炎」と診断されることがよくあります
症状が似ているため見分けが難しいのですが、正確な診断のためには必ず眼圧の測定が必要です。「念のため眼圧も測ってください」と、ひと声かけてみることをおすすめします。

犬の緑内障

発症初期は眼圧が低く見えることも

原発性緑内障では、発症初期には自然に眼圧が下がることがあります。そのため、見た眼だけでは「ぶどう膜炎」や「結膜炎」と見分けがつかない場合もあります。しかしながら、眼底検査を行うと視神経や網膜に必ず異常が確認できるため、眼底検査は必須です。

治療が遅れると失明してしまう

眼圧が 45mmHgを超える状態が1~2日続くと、視覚がほぼ完全に失われてしまいます。一度失われた視力は、ほとんど回復しません。緑内障は「発症から1日が勝負」。早期に発見・治療をしないと、取り返しのつかないことになってしまいます。

確実に眼圧を下げることが最優先

緑内障治療の第一の眼標は、一刻も早く、眼圧を正常値まで下げることです。眼圧を下げるためには点眼薬、注射薬、内服薬が用いられますが、注射針を眼(前眼房)に直接刺して眼圧を下げる場合もあります。緑内障と診断された場合には、必ず病院で眼圧を正常に戻してから帰宅するようにしてください。眼圧が高すぎる状態では、緑内障の点眼薬がほとんど効かないこともあります。点眼薬だけをもらって帰宅しないよう、主治医とよく相談しましょう。

犬の点眼

外科的治療という選択肢もあります

点眼を中心とする内科的治療だけでは、長期的に視覚を温存することは困難です。隅角インプラント手術レーザー治療など、外科治療を検討することで、視力の温存が可能になるケースもあります。治療の選択肢については、専門医とじっくり相談しましょう。

もう片方の眼も守るために

原発性緑内障では、片方の眼が発症したあと、もう片方の眼も緑内障を発症する可能性が高いとされています。そのため、健康なほうの眼についても、予防的に点眼薬を利用するとともに、定期的に眼科検査を受けるようにしましょう。

犬の眼科診療

さいごに

緑内障は、「すぐに治療すれば大丈夫」と言い切れる病気ではありませんが、早期発見・早期対応によって、視力を守れる可能性は大きく広がります

ワンちゃんの「いつもと違う眼の様子」に気づいたら、ぜひ早めに動物眼科を受診してください。

ナディア動物クリニック・動物眼科 院長 瀧本善之
このページを監修した獣医師
獣医師・獣医眼科学専門医 瀧本 善之 (ナディア動物クリニック・動物眼科 院長)

比較眼科学会眼科学専門医に認定された、動物眼科の専門医です。白内障や緑内障、角膜潰瘍、硝子体などの外科手術から、眼科疾患全般に対応しています。動物たちとそのご家族が、ストレスフリーで生涯を共にすることを理想としています。

院長紹介はこちら
初診の方へ
アクセス
問診票はこちら